渡辺京二「維新の夢」(ちくま学芸文庫)感想

西郷隆盛蔵

昔から西郷隆盛がよく理解できなかった。特に西南戦争にいたる経緯が。行き場のない反動的な没落しつつある士族が既得権益のために立ち上がった。その時に隠遁していた西郷に頼り、負け戦とわかっていたが止む無く付き合った反乱?という程度の理解だった。もちろん、今でもよくわからない。それでも西郷に引きつけられた人が多かったことは、なんとなくわかるし、西郷には何か思うことがあったのではないか?と思わされた。

西郷南洲遺訓 (岩波文庫)を読むと、茫洋としたイメージながらも人を引きつけていたことはよく分かる。そして「弱いもの」へ心を寄せる人だったのではないか?とずっと思っていた。それが西南戦争ではないのか?と。

「維新の夢」(ちくま学芸文庫)に繰り返し書かれる西南戦争の参戦者の内訳、西郷の維新後の行動などを詳細に読むにつけ、ますますわからなくなった部分と、西郷がイメージしていたのは、「もう一つのアジア的近代国家」だったのだと。その(第二維新)革命のために立ったのだと。
そんなことを思った。それゆえに馳せ参じた士族には民権派も多数おり、奮闘したという文章を読むと、心が熱くなり、爽やかな心持ちになった。

今の時代、再びアジア的近代国家ということが東アジア、東南アジアで議論されてくるように思われる。安直に叫ばれる「維新」とは何だったのか?」を足元から考えるには、「維新の夢」(ちくま学芸文庫)は良書だった。

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